優柔不断とは、 ひ弱で、いつまでも決断が下せずに悩んでいる様。および、そのようなぐずぐずした性格・はっきりしない性格のこと、もっぱら人の性格や態度の決断力のなさを表する、ネガティブな語として用いられる。(weblio辞書より)

優柔不断な人でも結婚できる?

婚活が長期化する、という人の中にはかなりの数の方がこの、優柔不断と呼ばれるタイプがいるのではないかと思われます。

池袋ぶどうの樹結婚相談所でも、時々お見かけする優柔不断な人は、どちらかというと、むしろチャーミングで人あたりが良いタイプが多いのが特徴なのです。自分は優柔不断な方だから心配、というかたはもしかしてこんなタイプではないかと思います。

・実は結構モテるタイプだと自覚している

・人から嫌われることがとても怖い

・重要な決断は時間をかけて判断したい

・責任が重いポジションは苦手

これとは真逆で、直感的、感覚的で悩むのが苦手、故に決断だけは早い、というタイプの方もいますが、それぞれ一長一短です。今日は優柔不断なイケメン、裕司さん(43歳・仮名)が成婚へと至った婚活ストーリーをお伝えしましょう。

イケメンで高年収の優柔不断男子

彫りの深い顔立ちで、立ち居振る舞いに華のあるイケメン、実はかつてモデル事務所に所属していたことがある、と打ち明けてくれた裕司さん。お仕事は、ITコンサルタントとしてご活躍でした。

年収は、、、1千万どころではないくらいの高収入でしたが、あまりに高いとお金目当ての女性が群がってくるので怖いとのこと。そこであえて1000万と書いておきましょう、と相談して決めました。

結婚相談所では、本当の年収を公表すると「少々問題がある女性」がたくさん寄ってくると判断して、敢えて少なく書くケースもあるのです。それだけお金ではなく人柄やフィーリングで女性から選ばれたい、という希望を強く持っている男性が多いとも言えます。

それだけの条件を兼ね備えていたら、結婚相談所に入らなくてもすぐに結婚できそうですよね?

裕司さんにそう尋ねると、

女性ってみんなそれぞれ美しいでしょ。だからこそたった一人を選ぶのは困難なんです。それに誰かを選ぶと誰かが傷つくでしょう? そうならないために、知人とは等距離を保っていたい、僕ってみんなの裕司クンだから笑

裕司

と歯が浮くようなセリフを言っても、納得させられてしまうほどの魅力がある男性でした。

婚活では思いがけず苦戦

そんな裕司さんは、とても惚れっぽく、交際に入るとすぐにお相手の女性に夢中になって、毎日電話で2、3時間話したい、デートはずっと手を繋いでいたい、というラブハンター。そんな風に熱烈にアプローチされたら多くの女性は好きになってしまうのですが、どういうわけか

電話もLINEも嫌いなんで、かけてこないで

と冷たくあしらわれたり

レストランを予約しておいたから現地集合・現地解散ね。私忙しいんで。

という女性に振り回されたりと彼が望むようなラブラブなお相手が見つからずに最初の1ヶ月が経過しました。

それでもどんなに傷ついてもまた立ち上がってお申し込みをするタフさが彼にはありました。

🔹優柔不断な人は、悪い点ばかりではありません。困難があってもしぶとく諦めない傾向が強いことを過去の例から仲人は見てきました。一方で決断が早い人は少しの失敗や意見の不一致で「やーめた」とすぐ断念しがちなのに対し、優柔不断な人は諦めないで何とかなるまでチャンスを待つ、結果が出るまで何度でもトライする、という長所があることをお伝えしておきたいのです。この傾向は結婚した後ではとても良きパートナーになる大変な美点です。

お見合いで一目惚れ

彼が次に一目惚れした女性は、4歳年下の色白美人・優子さん(39歳・仮名)。お見合いの後別れ際には、

絶対優子さんにもう一度会いたい。君は他の女性とは全然違う。必ず僕は、「交際希望」を出すから、また会おうね!

裕司

と熱烈ラブコールを送っての交際スタートでした。

真剣交際?身に覚えがない

裕司さんはこの人!と思ったお相手にはとても熱心にアプローチしたりおもてなしするので、今すぐにでも僕と結婚したい(というようなニュアンスの)甘い言葉を何度も言われていて、優子さんはメロメロになっていました。

「それって真剣交際希望ってことですよね?

と先方の相談所から言われ、仲人おぎたが裕司さんに確認すると

「え?僕そんなこと言ったっけ?」

と何食わぬ顔。他の女性ともお見合いをしますが、だからと言って優子さんをおろそかにする訳ではありませんでした。

🔹優柔不断な人の傾向として、一人にしぼることが苦手なので、本命には好意をほのめかしつつもなかなか真剣交際に入らないのが特徴です。お付き合いしている女性からするともどかしい面もあります。でもデートをしたり、長電話をしたりとサービス精神がありお付き合いは楽しいので、女性の方がどんどんのめり込んでいくのです。

まさかの交際期間の延長

とは言え交際1ヶ月ほどで仲人おぎたの説得に応じて、真剣交際に入った裕司さんと優子さん。二人は週に2度も3度も会うほどの熱々ぶりでしたが。交際3ヶ月が経つ頃にプロポーズを促しても、なかなか行動に移しません。

何度か面談を重ねて、交際期間を1ヶ月延長することで優子さんがわの合意をとり、交際4ヶ月目に突入しました。

結婚相談所の交際期間は、原則として3ヶ月と決まっています。もっと結婚まで長期間お付き合いしてから判断したいのであれば、成婚退会してからご両親公認のフィアンセとして交際を継続する方が建設的だからです。その後で入籍する方がおすすめなのです。特に、お子さんを望んでいる適齢期の女性にとってこの数ヶ月のロスは大変辛いものですよね。

ですが、どうしても3ヶ月では決め切れないという場合に限り、女性側と男性側両方の合意があれば1ヶ月の延長が認められいます。それでも交際期間には上限があり、最長で6ヶ月と規約に明記されています。

交際は長期戦へ

優柔不断な人は、すぐには決断できないだけで、決して結婚したくないという訳ではありません。本音を聞くと、

  • だって運命の人は別の人かもしれない
  • 結婚なんて本当に自分にそんな資格があるのだろうか

とさまざまな疑問が次々に頭に浮かんでくるので、スパッと決められないだけなのです。

なんだったら、女性の方からプロポーズしてくれればいいのに

という優柔不断男子の声も聞きますよ。ですが時間がかかっても本人が納得いくタイミングを作っていくことがキモなのです。そんなわけで、交際の密度はキープしたままとうとう5ヶ月が過ぎようとしていました。

交際が長引くとお相手が病んでくる

交際が長期化すると、一番辛いのはお相手です。いや、本人もものすごく悩んで頭の中でぐるぐると考えるので辛いようですが、デートが楽しいからこのままでもいいんじゃないか、という現状維持ゾーンに入ってしまうので危険なのです。もしも結婚相談所でなかったら、何年も恋人を待たせた挙句サヨウナラ、というケースになりがちです。

そしてお相手女性にしてみれば、「なぜ?どうして?自分のどこがいけないの?」と自分いじめが始まってしまう傾向があるので、仲人として早急に手を打つ必要がありました。

優柔不断男子の背中を押す言葉

仲人が裕司さんにお伝えした言葉は、このような内容です

裕司さんに悪気はないのでしょうけど、優子さんからしてみたら、あんなに好き好き言ってくれていたのに、いざプロポーズとなると自分との結婚を迷っている。というその事実がもうすでに傷つけているんだよ。自分がお相手の立場で、早く結婚したいのに「ちょっと待って」と何ヶ月も先延ばしにされたらどう思う?(仲人おぎた)

と仲人は優子さんの苦しく悲しい胸の内を、裕司さんにお伝えしました。

 誤解しないでいただきたいのですが、多くのケースで、優柔不断な人は交際相手を傷つけたくてそうしている訳ではありません。むしろ心優しくデリケートな性格ゆえに行動に移せないだけなのです。上から目線で責めたり叱ったりするのではなく、彼の心のひだに入ってアドバイスを続けました。

また、一方で

プロポーズが遅いというだけで大好きな人をむしろ大嫌いになることもある。相手がいつまでもずっと自分に夢中だろうとタカをくくっていると、ひどいしっぺ返しを喰らって失恋してしまう例も過去にありましたよ。(仲人おぎた)

と伝え、決断を促しました。この状況で、【結婚をおあずけにされてプライドを傷つけられた】と感じた優子さんから交際を終了されたら、一番苦しむのは裕司さん自身だということを仲人はよく知っているからです。

交際中はみなさん自分の気持ちのことでいっぱいいっぱいになりがちです。だからこそ、視点を変えて、相手はどう思っているのかを冷静に伝えます。あくまで責めたり怒ったりするのではなく、あなたの味方だよ、あなたが傷つかないためのアドバイスをしているんだよ、という声かけを辛抱強く継続したことで、裕司さんが決断できたのでした。

優柔不断男子の本音

なぜそんなに悩むのか、と裕司さんにたずねると、

結婚ってすごく怖い。難しい決断じゃないですか?

裕司

と裕司さんは答えました。

確かに、結婚をするという決断は、非常に重たいものです。特に優柔不断な人にとっては並大抵のことではありません。それは彼らが、責任感が強くて、一度結婚したらどんな嫌なこと理不尽なことがあっても我慢し続けなくてはならない、と心のどこかで思っているからなのだそうです。

仲人はそんな彼の心のオモリを取り除くべく、

結婚はね、一生出られない牢屋に入るのとは違うよ。辛いなら離婚だってできるし、人生案外何度でもやり直せる。失敗してはいけない、失敗したら全てがおしまいだ、そう思っているなら、大間違いですよ。楽しい方へ生きやすい方へと二人で話し合って何度でも軌道修正していけばいいんだから(仲人おぎた)

と伝えた時の、彼のホッとした表情は忘れられません。

一方で、優子さんの仲人さんへは、

  • 裕司さんは優子さんに対して愛情を持ち始めていて不満は全くないこと
  • 自分が優柔不断なせいで辛い思いをさせて申し訳なく思っていること
  • でももう少しだけ待ってもらえたら、きっと決断できるということ

をお伝えしたところ、「それを聞いて安心しました、私は待てますから大丈夫です」とお返事をいただきました。優子さんの精一杯の強がりだったかもしれません。ご成婚後、「あの時は本当に不安で辛かった」と涙目でしたから。

プロポーズの決断

優柔不断な人に限らず、プロポーズという人生の大仕事は、仲人含めて外野が「早く早く」と言いすぎるとかえって意固地になることもあります。かといって放置しておくと、「このままでも許されるならいいや」と決断をどんどん先延ばしにして永久に実現しません。

褒めたり、宥めたり、あなたの味方ですよというメッセージを送った後で

あなたなら、きっと素敵なプロポーズをするって信頼してるし、わかってる。だから全然心配していないわよ!(仲人おぎた)

という言葉を伝えて、あとはしばらく静観していたところ、ある日曜日の夜に、

優子さんへ昨日プロポーズをして、お受けいただきました。

裕司

とご報告のお電話をいただきました。

まとめ

人には決断するのに適切なタイミングがあります。

ある人にとってそれは容易いことですし、またある人にとってはまるで毒薬を飲むかのように、ためらうもの。でも結婚はむしろ毒薬ではなく、孤独という病をなおす良薬なのです。そして安心して下さい、決断に時間がかかるという人こそ、結婚したあとは良い家庭人になることを見てきたので、気持ちよく送り出しています。

大切なことは決断を待たせている間、お相手を不安にさせないためのケアと、ご本人も決断できずに苦しんでいることを受け入れ、その上で決断しない場合のデメリットもお伝えしていますよ。

ご成婚後、お二人の入籍届にサインを求められたときは私も心底嬉しかったです。今でもお二人ラブラブな投稿をよくSNSでお見かけして、ほっこりしている仲人なのでした。

仲人 おぎた