結婚相談所に限らず、最近の結婚適齢期の方々の傾向として、まだ一度も異性とお付き合いをしたことがないという男女が、年々増えています。恋愛未経験者の結婚が厳しくなるのは何歳までなのか、また恋愛経験がなくても結婚できた方がいるのかが気になるという方が多いので、ブログに書くことにしました。まずは男性編から。

恋愛経験ゼロでも結婚できます

恋愛経験がないことが、まさか人生で足かせになると思ってなかった。

同僚や友人が次々に結婚・出産をしていく中で、真面目な人や優秀な人ほどそうおっしゃいます。ですので、いいとか悪いではなく、どんなふうに恋愛経験のなさが婚活に影響するのか、またそんな中でも結婚できた人のマインドとノウハウなど実例を紐解いていきたいと思います。

33歳初婚男性のご成婚ストーリー

誠さん(33歳・仮名)は恋愛経験がない真面目男子。東京の私立大学を出て、IT企業にお勤めです。身長は170cm、年収は500万代と”結婚相談所では”割と「普通のスペック」に分類される方でした。(一般的な33歳の独身男性の年収からしたらかなり良い方ではあります) 見た目は、性格が良さそうな印象、といえばお分かりになるでしょうか? ものすごくイケメンというわけではありませんが、感じの良い印象の男性でした。

ご入会の際、結婚相手に求める条件を聞いたところ、

「女性とお付き合いしたことがないから、どんな人が理想かと聞かれてもわかりません。いろんな人と会ってみたいです。ただ、女性との会話に自信がないので、正直お見合いやデートでうまく話せるか不安を感じています…」

と本音を語ってくださいました。

まずは同世代、近隣エリアの女性から

誠さんは埼玉寄りの23区にお住まいでしたので、まずは東京23区と、あとは浦和や川口など東京寄りの埼玉の女性へお見合いをお申し込みしていき、承認してくれた方と実際にお会いしていきました。お相手の年齢は29歳から36歳まで、高卒の女性から大学院卒の女性まで、OLから看護師、美容師まで、仕事も趣味もライフスタイルもバラバラの女性たちでした。

お見合いの結果は、5人とお見合いして、3人からは「フィーリングが合わない」とお見合いお見送り、残りの2人と仮交際に入れたものの、2人とも1回目のデートの後ですぐに交際終了となったのでした。

前のめりに転べば必ず成長する

仮交際の女性との関係が終わってしまったた時、なんと誠さんは

「荻田さん、自分やっとギアが入ってきました。もっと頑張ります!」

そう私におっしゃいました。私としては内心、(きっと落ち込んでいるんだろうな、優しく励まそう)と思って面談に臨んだので、誠さんからこの発言を聞いてホッとしました。ホッとした理由は、失敗から学ぶのが最も近道だからです。ですがプライドが高いほど、失敗を受け止められずに現実から目を逸らしたり、婚活を諦めてしまったりします。実は世間でモテている男性たちだって、話を聞いてみると学生時代や20代の社会人になりたての頃に、手痛い失恋を経験し研鑽しているのです。

恋愛経験なしで結婚相談所へ入られた方は、この失恋による学びの経験が婚活デビュー後になる、と考えればいいのです。お見合いで振られたり、交際が終了になったりして初めて【失恋のようなもの】を経験するというわけです。それなりに辛いし、苦い経験です。でもだからこそ価値があるのです。むしろ若い頃以上に大人になってからの学びは吸収が速く、成長できます。

ただし、それがすんなりできる人と困難な人がいます。

思い通りにならなかった時に、相手のせいにするのではなく、自分の言動を振り返り、改善方法や相性などの分析へと昇華して次へとチャレンジできる人は伸びます。結婚相談所の交際の中でも確実に「男の魅力」を身につけて、なぜか女性が惹かれるいい男に成長することが可能なのです。

一方で、婚活が思い通りにいかない時に、「相手がおかしい人だった」「自分はには全く非がない」と自らに言い聞かせて、自己成長のチャンスを潰してしまうタイプの方は、ご成婚まで時間がかかります。

気持ちはわかります。誰だって、いい大人になって、傷つきながらも反省して、自分の言動を変えるのって苦痛です。ですが痛みを伴わない成長なんて、仕事でも、婚活でも、筋トレでもあり得ないもの。心が痛いのは心が成長しているから、と考えられたら、ひとまわりもふたまわりも、大きく魅力のある男性になれるのです。

話を誠さんに戻しましょう

恋愛初心者男子、運命の女性に出会う

検索システムを使いこなるようになった誠さんは、29〜34歳までの女性に的を絞り、その代わりにエリアを1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)まで広げて積極的に申し込んではお見合いをしていきました。そして活動から約3ヶ月、もう20人以上とお見合いをしてきたところで

  • 自分の申し込みに、OKをしてくれる人がいること
  • 仮交際のデートが3、4回続くようになってきた
  • 会話は苦手ながらもなんとか3時間くらいのデートならこなせる

という状況になってきました。そうなってくると、自信が芽生え、「婚活デートがうまくいって、楽しい」と感じることも出てきた、と話してくれました。とはいえ、仮交際ですので、常にいつ振られてもおかしくない不安と、もしかして結婚できるかもという期待との狭間で、だんだん精神的に疲れてきます。こんな自分でも、本当にいつかは婚活が終わるのかな、という不安がよぎるのです。もうこうなってきたら、婚活初心者ではなく、中級者といってよいでしょう。

そんな時、お見合いが組めたのが埼玉県にお住まいの女性みきさん(29歳・仮名)でした。彼女は慣れないホテルのロビーラウンジでのお見合いに、緊張している様子だったそうです。それでも大きな瞳をキラキラさせて、そして一生懸命に話を聞き、うなづきながら笑顔で答えてくれる姿に、誠さんからは

荻田さん、こんなにお見合いが楽しいと思ったのは初めてです。この人と結婚できたらいいなあ!

との報告を受けました。その後交際はトントン拍子に進み、交際2ヶ月が経つ頃、仲人さんを通じてプロポーズの打診をしたところ、

「実はみきさんも婚活疲れで、早く結婚したがっているんです。仮交際中の他の男性もいますが、誠さんが一番話があうし大切にしてくれそう、といっていたので、改めてみきさんのお気持ち確認してみますね。OKならぜひお願いいたします」

その後、みきさんからも「プロポーズをお待ちしております」との連絡が仲人に来て、お伝えしたところ、誠さんはすぐに婚約指輪を買いに走ったそうです。

静かなカフェでのプロポーズの結果はもちろん大成功。

「大好きです、僕と結婚してください。」との誠さんの言葉に、みきさんは涙ぐみながら

「よろしくお願いいたします。私も大好きです」とお返事したそうですよ。

恋愛経験・婚歴がある男性も婚活で苦戦している

恋愛経験ゼロの方からすると、「経験者はきっと婚活も楽勝なんだろうな〜」と思っているかもしれません。ですが実際に結婚相談所で活動している男性を見ると、そうとも限りません。婚活男性は、独身女性に比べて圧倒的に初対面の人との雑談が苦手という人が多い傾向があります。この点で言うと、恋愛や結婚の経験が一応ある男性ですら、まともにパートナーとの会話が成立していなかったためにお別れをしていたりするので、自らを顧みて反省し、改善が見られない限り婚活では苦戦します。油断は禁物なのです。

会話が苦手、というその理由は、

  • 勉強や仕事以外への興味関心が極端に少ない
  • 親からの受け売り=昭和の価値観を現代でも引きずっている
  • 異性と話すことを特別に意識し過ぎて緊張してしまう

などの傾向があるようです。特に、好みのタイプの女性とのお見合いでは、緊張がマックス。だからこそ、そんなにタイプではない女性(失礼!ごめんなさい)ともお見合いをして、免疫をつけてからアタックする必要があるのです。ですが、実際にお話ししてみたら、冷たい美人よりも謙虚な女性の内面に惚れ込んで、「彼女以上の女性はいない!」と夢中になることも珍しくないのです。

恋愛未経験でもご成婚する男性の特徴

ところで、30代の恋愛未経験男性は、「たまたま出会いがなかったから」と言うケースがほとんどです。逆に言うと今まで機会がなかったなら、機会を作れば良いだけ。

それでも

  • 姉や妹、といった年齢の近い女性の家族がいる
  • 職場や趣味の場で同世代女性と会話する機会が頻繁にある

という婚活男性なら、女性に免疫があるのでちゃんと会話が成立していますし、女性への幻想をもたずにお相手を選べています。

むしろ婚活女性から、「話しやすい、誠実で好感が持てる」と評判の良い男性もいるくらいです。

ところが

「おしゃべりができるから、一体なんだって言うんだ。彼女がいたことがないという事実に変わりはないだろ!」

婚活男性

そう苛立つ男性の声が聞こえてきそうですね。よく聞いて下さい。

なんのヤマもオチもない、ただのキャッチボールを楽しむための“おしゃべり”は女性にとっては、とても重要です。楽しい”おしゃべり”は、娯楽であると同時に敵・味方を見分ける手段でもあり、手っ取り早く敵(交際相手)のフトコロに入るために必要不可欠な手段なのです。

その点、多くの男性たちにとって、おしゃべり・会話は何かしらの問題を解決するための手段だったり、自分の知識を披露するための手段。悪くいうと会話することで無意識のうちに「勝ち負け」を意識していたりするのです。自覚がないかもしれませんが、実に男同士の会話って、女性が聞いているとマウントの取り合いのように見えるものですよ。

理系男子が苦戦する理由

ここで差がついてくるのが、同じ彼女いない歴=年齢のかたでも理系か文系か、と言うポイントです。もしもあなたが、理系でかつ彼女いない歴イコール年齢ならば、修行の場のつもりで直ちに結婚相談所に入り、経験値を高めることをお勧めします。なぜなら、会話を含めた男女のやり取りは、経験こそがものをいう場だからです。

見た目がどうとか年齢がどうとかは一旦脇においてでも、まずは無駄ばなしをする練習から始めるべきなのです。

高学歴でも、イケメンでも、高年収でも、理系男性が婚活で苦戦してしまうのは経験値を積んでいないのにプライドが高くなりがちで、

  • 100%理想の女性でないと時間の無駄だから非効率的、故に会いたくない
  • 好みのタイプの女性でも、話すことがないからできるだけデートはすぐに終わらせたい
  • パーティーのような”人前で話せないと生き恥をさらす”場所からは逃げたい
  • 女なんかいなくても平気、結婚なんかしなくても楽しく生きていけると強がる

などと自ら女性との出会いを敬遠してしまい、経験値を積めないまま年齢をどんどん重ねていって、結果的にこじらせることになるからです。こじらせている男性は、女性から見ると多くの場合、プライドが肥大した面倒臭い存在になってしまっていますよ。

昭和の理系くんと令和の理系くん

昭和時代の理系男性はまだ楽でした。「男は黙って背中で語る」のが美学という価値観もありましたし、立派な経歴や家柄だけを見て、親同士が勝手に決めてくれるという、コミュ障にとっては天国のような婚姻システムが存在していたからです。

この令和においては、コミュ力=立派なスペックです

繰り返しますが、女性の多くはおしゃべりが大好きと言われています。おしゃべりをすることで、相手と自分の価値観をチェックしたりすり合わせたりするとともに、おしゃべりによってストレス解消をしているのが女性なのです。それはすなわち、おしゃべりが成立しない人とは信頼関係が築けないということなのです。

お見合い結婚でも、まずはお友達になれるかどうかという最初のハードルでパスされてしまうので、お話ができないことはとてもキツイのです。

理屈っぽい男性ほど結婚できていない

先程の「成長が難しい男性」の典型例ですが、言い訳が多く理屈っぽい男性は結婚が難しいもの。なぜなら言い訳とは、自分の非を知りつつ、他の理由を無理やり持ってきて、事実から目を逸らすことだからです。具体的には、女性との会話に対して苦手意識があり、それを克服するプロセスを経ずに結婚できるという都合のいい妄想をしていることです。

厳しいようですが、結婚を望むなら、まずは言われた通りに会話の訓練を積んで、実践の場であるお見合いやパーティーに参戦することです。

愛され男子に生まれ変わるコツ

ここで重要なポイントは、女性という存在が、最初から結婚できるかできないか白黒はっきりしているわけではないということ。言い換えると、全ての女性が、”ことと次第によっては”あなたのお嫁さんになる可能性を秘めている、ということです。ここだけの話ですが、モテる男性というのは、そのことを踏まえた上で、女性に対して親切に振る舞い、特に女性が頼りたそうな時に、これ以上ないくらいの優しさを(あなたのためだけにと言って)見せることができるのです。

間違っても、先に女性から親切にしてもらおうなどと思わないでください。自分から親切にして、礼を尽くすことが恋愛初心者でも【愛され男子】に生まれ変わるコツです。

女性の心理を知っておこう

それというのも、いきなり好きか嫌いか、性の対象としてありかなしかをジャッジしてしまいがちな男性と違い、女性はとても段階的に緩やかに、運命のお相手、お付き合いする男性を認定していきます。

ですので、初期に冷遇されるのは当たり前、と認識した上で、まずは軽~く心の扉をノックして、少しずつ少しずつ段階的に心を開いていただく必要があるということです。

そのためには、共通の趣味の話題や女性が喜ぶスイーツ、目の前の女性が好むような場所でのデートなどでリラックスとワクワクを交互に引き起こしつつ、自分と付き合うこともしくは結婚することのメリットを実感させることで成婚にいたれるという流れなのです。

女性を喜ばせる時に、自分の都合は一旦脇においておく、ということができるかできないかがとても重要です。しかもずーっと脇においたままではダメ、女性の満足する様子を見た後で、自分の希望もちゃんと伝えましょう。そうでないと、女性はあなたに恩返しをしたくても、させてもらえずにかえって不満が募りますよ。これ本当です。

恋愛経験ゼロでも大丈夫

結論から言うと、彼女いない歴が何年であろうと関係ありません。

その代わり、きちんと謙虚に学ぶ姿勢があり、実際に動いて経験値を積む努力をする必要があります。

恋愛経験よりも、男性女性を問わずに自分の考え方を押し付けでなく言える表現力や、相手に興味を持って話を聞くことができる傾聴力、あとは少し男としての自信と魅力を足せば結婚はできるでしょう。

そもそも、恋愛(彼女の有無)を特別視しすぎてはいませんか?恋愛、男女関係も所詮は人間関係。人と人との信頼だったり、感謝をつたえる言葉だったり、言い間違えたり傷つけたときは【謝る力】こそが人間関係を豊かにする要です。

あるいは何度も恋愛をしてきたけれど結婚ができない、といっている人の中には、この信頼関係の構築が苦手という人もいます。そういう意味ではむしろ心配すべきなのは、恋愛の経験値よりも、社会性の乏しさなのかもしれません。

池袋ぶどうの樹結婚相談所では、「人と協力してやっていける社会性ならそこそこあると思う」そういう方のご入会を積極的に受け付けております。もちろん恋愛初心者の男性、理系男子もお待ちしておりますよ。お気軽にご相談ください。

仲人おぎた