恋愛と結婚が違うってどういうこと?

恋愛と結婚は違う、よく言う言葉ですし、いろんなところで目にします。

結婚相談所で活動しているみなさんも、ぶち当たるテーマです。

よし、わかった。恋愛ではなく結婚をしよう

と覚悟したとして、同時に

  • 愛のない結婚をして、自分は幸せなのか?
  • 幸せじゃなくても結婚するべきなのか

という疑問が湧いてくるのではないでしょうか。

もちろん私は仲人としても、いち人妻としても、”愛のない結婚はするべきではない”と言う考えに立っています。それでも、恋人同士の間でいうところの「愛」と夫婦の間にある「愛」にある種の違いがあることは否めません。

今日は結婚相談所でこの恋愛と結婚の違いに気付かされる場面を例に、2人の女性の体験談をお伝えしていきたいと思います。

恋愛と結婚の共通点

恋愛と結婚の共通点は

・お互い好意を持つ男女が1対1の関係で親密な関係を築くこと

・好意に基づいた性的な関係を持つことが暗黙の了解になっていること

・お互いが相手にとっての心の支えであり、喜びとなる関係

ここまでは、【今が楽しければ良い。一緒にいて好き・楽しい】で成立している、と言えるでしょう。

結婚相手と恋人の決定的な違い

一方で結婚相手は

  • 家事や住まい、お金など生活面・経済面で一つのユニットになる
  • 子供を作る、お互いの親とも親族になるなど家族も巻き込む
  • それによって子育てや相続、介護など深く関わらざるを得なくなる

という特徴があります。結果として、【長期的な深い関係を前提としたお相手選び】をする必要がある点が、結婚相手選びの最大のポイントです。

だから結婚相手はひょっとして、今は好き、でも将来的に好きじゃなくなるかもしれませんよ。

それでも家族としての人間関係を継続することになる可能性がある、ということなのです。

4つのテーマで検討してみよう

恋愛と結婚との違いが浮き彫りになる4大テーマは以下の通りです

  • 住居の選択を一致させること
  • 生活費と家事の分担
  • お互いの家族との付き合い
  • 子作りから老後までの人生計画

この4大テーマはどれも、恋人どまりの関係なら敢えて”100%避けて通る”ことも可能なものです。

逆にいうと、婚活をするのなら、自分はこの4つのテーマについてどう考えているのか、どうなりたいのかを、ある程度しっかりイメージしておくと理想の結婚相手にたどり着けるということです。

恋愛初心者だった頃の失敗

みくさん(32歳仮名)はマッチングアプリで30歳の時に結婚をしたけれど、半年ほどで離婚して、「もうアプリはこりました」とおっしゃってご入会されました。

一回目の結婚の時は、早くお嫁に行きたい一心で、彼のいうことに全て”YES”で答え、常に彼の顔色を伺い、少ないお給料で必死でやりくりをしていたのに、彼の浮気が発覚して一気に冷めた、とのこと。

つきあっているときは、リーダーシップがあって気前の良い人だな、と思っていたけど、外ヅラが良い分、家に帰るとむっつりと黙っていて、家事も生活費も全部妻任せ。1人でゲームばかりしていてほとんど会話のない夫婦だったそうです。

それを踏まえてみくさんは、

結婚するなら、コミュニケーションを大切にする人、そして家族を最優先にする人が私の理想です。前の夫みたいな”外ヅラだけいい人”でなく、妻子を大切にしたいという愛情と責任感のある精神的に大人な男性と結婚したい。

さらには将来、子供が育った後の自分のキャリアも考えると、いつ離婚しても路頭に迷わないように国家資格も取っておきたいと今では思っています。

みくさん

みくさんは元々東京にお住まいで、職場も東京23区でしたが、夫の希望に従って奥多摩へ引っ越すことになり、通勤が本当に大変だったとぼやいていました。

受け身な女性にありがちなことですが、自分の希望や自分の意見をきちんと言えず、結局お相手に全て合わせることになると、どんどん男性が自分勝手に振る舞うようになることがあります。男性が悪いというよりも、

不満を言わない=承諾している

というふうに自分に都合よく考える傾向がある人が、世の中に一定数いるのです。

みくさんは、過去の反省から結婚相談所でのお相手探しは、

・お相手の容姿や年収ばかりでなく、性格をよく見極めること

・いつも相手に合わせるのではなく、YES/NOをしっかり伝えること

この2点に気をつけていました。一方で、ついいつも我慢ばかりして自分の意見を言えない・言わないという癖を直しつつ、資格の勉強も始めたところ、だんだんと自信がついて、同い年で誠実な男性と結ばれ、成婚退会されました。

恋愛依存体質の落とし穴

婚活をしている人の中には、結婚こそは恋愛の延長上にあるべき、そう考えている人もかなりいます。考え方は人それぞれなので、別に間違っているとは言いません。結婚相談所で年収や学歴、容姿を見て選んでいる皆さんでも、その上でさらに「恋愛感情」を求めるのは、好きな人とじゃないければできないアレコレがあるからです。そのお気持ちはよくわかります。

ですが、一方で恋愛感情ばかりを優先させると、時にずる賢いお相手にいいように振り回されることもあるのです。

恋愛依存な女性ほど悪い男性に騙されて、泣きを見る傾向があるようです。

恋愛依存体質度チェック

あなたは人を好きになると、こんなことはありませんか?

  •    ・恋したら自分の生活の全てを彼のために捧げたい
  •    ・自分さえ我慢して済むことなら彼のために我慢する
  •    ・いつでも彼からのLINEに即レスしたいし、自分もして欲しい
  •    ・私を愛しているなら、何も言わなくてもきっと私の気持ちわかってくれると思う

恋をしているときってまるで夢の世界。現実の悩みや不安を忘れさせ、陶酔感を与えてくれますよね。でもこのチェックリストが一つでも当てはまるなら、危険な恋愛依存の傾向があります。特に、恋愛経験が少ない女性は男性から「好きだよ」とか「可愛いね」と言われるとすぐその気になってしまい、自分も夢中で好きになってしまうがちなので、体目当ての男性にねらわれやすく、危険なのです。

結婚はお互い自立した社会生活を行えるようでなければ、うまく機能しません。例え「ディズニーが大好き!」でも、お姫様ではないので働かなくてはいけませんし、家事だって自分でたちでしなければいけません。子供ができたらそれこそゆっくり寝る暇もないくらい忙しくなるのです。厳しいけれど、結婚とは高度に社会的な行為なので、そのことを忘れないようにしなくてはいけませんよ。

君を幸せにするって言ったのに

40歳のまゆこさん(仮名)は、交際5ヶ月目でやっと念願かなってプロポーズされました。

お相手は43歳のたけひこさん(仮名)ちょっと受け身な奥手男子だけど、ハンサムでスポーツマン、しかもお話が上手で会話が弾むので、何時間でも一緒にいて楽しい、とまゆこさんは報告してくれていました。でもなぜかたけひこさん、たくさんおしゃべりしても、結婚の話に触れないので気になっていたそうです。そんな中でたけひこさんの結婚相談所の仲人さんを通じてお気持ちを打診したところ、

「自分もいずれはまゆこさんと結婚したいと思っている」

とのお返事でした。そこで仲人さんから「そろそろ交際3ヶ月だし、男らしくプロポーズしてね」と背中を押して頂くと、とうとうドライブデートの後、車の中でプロポーズをしてくれました。

「まゆこのことが好き、だから幸せにしたいし、結婚したいとは思ってる。でもまずは親にあって欲しい」

たけひこさん

そう言われて緊張したまゆこさんでした。

「どういうこと?親が反対したらダメなの?」と聞くと「いや、あの、多分大丈夫」となんとなく歯切れが悪いので気になったそうです。そんな不安を払拭するために、「急いで両方の親に挨拶を済ませようね」と言って1週間後にまゆこさんの両親へ挨拶して、さらに1週間後にたけひこさんのご両親に会うことになった矢先、たけひこさんの親御さんからストップがかかったのです。

「たけひことその女性とでは、学歴も家柄も釣り合わない」

「しかも40歳なんて赤ちゃん産めるの?あなた跡取りなんだからちゃんと選ばないとダメよ」

たけひこさんママ

お母様からそう強く反対されたというのです。

とはいえ、立派な成人男性ですから、「あなたが強い意志で覚悟するなら大丈夫なんじゃない? 今時は40歳でも元気な赤ちゃんを産む女性、意外と多いのよ」と先方の仲人さんは説得を試みましたが、ご本人が

「母がダメって言ったら、絶対にダメなんです。残念だけどまゆこさんとの交際は終了でお願いします」

たけひこさん

と暗い表情でいったそうです。

一方でまゆこさんは絶望に打ちひしがれているかと思ったら、むしろ

その言葉を聞いて目が覚めました。自分の意思で結婚という重要な決断をできない男性にもはや全く魅力を感じません。

まゆこさん

と清々しいくらいキッパリおっしゃっていました。

その後、プロフィール写真を撮り直して婚活を再開したところ、45歳のエリート男性から熱烈にアプローチされ、無事ご成婚されました。なんとすでに双子の赤ちゃんを産んで、立派にママになっています。

恋愛と結婚の違い、例えるなら

例えるなら、恋愛はショートケーキのようなもの。甘くてフワフワで、見た目もロマンティック、でも賞味期限は短いのです。

一方で、結婚は例えるなら”ごはん”です。白いごはんは、おかずという周りの人たち込みで成立するもの見た目はケーキよりも地味かもしれませんが、毎日食べても飽きないのが特徴です。

お粥にしたり、チャーハン、おむすびにしたりと工夫次第で姿を変え、長く飽きずに付き合っていけますよね。

結婚するなら、ショートケーキのような人ではなく、ご飯のような人を選ぶのが正解、というとイメージしやすいでしょうか。

口当たりはさほど甘~くなくても、いろんなおかずと組める”柔軟性”があり、噛めば噛むほど旨味が増す。そんな人を見つけましょう。

結婚相手を見極めるには

恋人にするなら、ひたすら楽しい人やかっこいい人を選べばいいでしょう。

でも結婚をして子供ができたら、彼氏・彼女ではなく、パパとママへと関係は変化します。そしてお相手の親もじいじとばあばになるのです。いつかはお二人もじいじとばあばになることでしょう。

そうなってもずっとあなたのことを好きでいてくれて、ちゃんと大切にしてくれる人、あなたも信頼し安心できそうな人を選ぶことが重要です。

とはいえ、どうしても年齢が若いうちや、恋愛経験が少ない方は、恋人を選ぶように結婚相手を選びがちですから、危険なこともありますよ。恋は盲目と言いますからね。

恋愛対象と結婚のお相手、くれぐれもお間違いなきよう、参考にして頂ければ幸いです。

迷ったときは、仲人があなたの味方になりますよ。

仲人おぎた