結婚観ってなんだろう?

婚活でお見合いやデートの時に重要な、結婚観のすり合わせ。そもそも結婚ってなんなの?仕事を続けたい気もするし、子供ができたら子育てに専念したい気持ちもある。初めての結婚で、何が正解がわからないのに、どうやってみなさん結婚観を決めているのでしょうか?と会員様から聞かれましたので、アンサー投稿でもあります

結婚観の概論

結婚観の概論(大まかな概念)としては、結婚生活をどう捉え何に重点を置いて、どこをゴールとするのかといったことです。

例えば、マナさん(31歳・仮名、公務員)にとって結婚は、

安心できる拠り所=家庭を築く場所。できれば子供がいて、いつもそばにお父さんとお母さん(自分)がいて、子供を育てながら一緒に協力する、平和で穏やかな生活を望みます。

というのが大枠での結婚観ですし、

あるいは美里さん(33歳・仮名、法人営業)にとって結婚は、

夫婦がお互いに仕事を続け、極めていくためのチーム。忙しい時はお互いをサポートし合う。時にはのんびり二人で余暇を楽しみたい。子供はできたらその時にまた考えるけど、基本的には夫婦二人の時間が最優先。

また、玲香さん(36歳・仮名、事務)にとって結婚は、

子供を産み育てるために必要なもの。どうしても食べていけないなら働いてもいいけど、基本的には専業主婦希望。とにかく子供が欲しいので、子供を産んで育てることが何よりも大切な夢であり目標。

こんなふうに、十人十色の結婚観があります。

結婚観は実際にその場面になってみたら変わることがあるという事実を忘れてはいけません。例えば仕事も楽しいから続けたいし、子供を産むことも夢だったから、両方欲張りたい!と思っていた人が、実際に子供を産んでみたら、子供が愛おしすぎて仕事に集中できないから、やっぱり一旦は子育てに専念したいというケースもありますよ。

女性は結婚して出産すると、女の子からから母になって変化し、人としても成長するので、人生の目標が変わっていくこともあるもの。そのことを想定に入れた上で、お相手の結婚観も尊重しつつよく自分の心に聞いてみましょうね。

男性の結婚観

ここで気になるのは、男性がどのような結婚観を持っているのかということです。

まずその前に、日本の現状で言うと、男女共働き派が主流です。一方で、子供が欲しい20,30,40代男女にとって子供をどう育てるかは「夢物語」では済ませられない現実です。というのも、子供がまだ赤ちゃんの時は2,3時間おきにミルクをあげないといけませんし、立って歩くようになると今度はまた別の意味で目が離せません。

3歳くらいから他人に預け安くはなりますが、子供が欲しいと言う男性の中でも、親御さんに経済力があり幼稚園から有名私立で育った男性ほど、「女性には子供が生まれたら子育てに集中して欲しい」と言う意見が多数派です。経済的な問題は自分も頑張るし、実家にも協力を求めるので、なんと言っても子供が小学校に上がるまでは、子供ファーストでお願いしたいと言うわけです。

では男性の結婚観をみてみましょう。

武洋さん(38歳・仮名、研究職)

結婚したら子供を持つのは、人として当たり前のことだと思っています。子供には親としてできるだけのことをしてあげたいので、協力してくれる女性がいいですね。家事はなるべく手伝うつもりではいますが、正直仕事がハードなので、子供の将来のためにもまずはしっかり稼ぐことが父親として最優先課題だと思います。子供がいい大学を出て、就職するまでは気が抜けません。

将暉さん(33歳・仮名、公務員)

結婚してからもずっと恋人同士のような夫婦になりたいですね。毎日一緒にご飯を食べて一緒にテレビを見て一緒に眠る。それが当たり前だと思っています。当たり前の日常を一緒に楽しめる人がいいですね。子供はよくわからないけど、欲しいっちゃあ欲しい、くらいの感じです。正直自分でもちゃんと父親になれるのか、その責任に耐えられるか不安はあります。

健斗さん(35歳・仮名、会社役員)

子孫を残すために結婚したいです。うちは代々続いている会社と資産があるので、後継ぎがとにかく必要なんです。そのために健康でなるべく無駄遣いをしない、家柄の良い女性を探しています。子供は家の宝でもあるので、もちろん大切に育ててくれるパートナーが必要だと思います。専業主婦を喜んでやってくれる人で、仕事に対して理解ある人だとありがたいと思いますね。

いかがでしょうか?

同じ30代でもこのように、結婚観には大きな差があるものです。

それを踏まえた上で、ご自身はどう思うのかをなるべく事前に考えておきましょう。質問されてから慌てて考えたのでは、結婚への真剣さが感じられない!と思われてしまいますよ。

ポイントは

  • 夫婦の時間を中心に考えているのか、子供との時間を考えているのか
  • 万が一子供ができなかった場合は不妊治療をしたいのか
  • 子供ができたらいいかも、くらいなのか、絶対に子供が欲しい!なのか
  • 結婚後の女性の仕事について、あるいは子供ができた後の女性の仕事についての基本方針

などについて態度をある程度決めておくと良いでしょう

女性のお仕事が、

・夜勤や出張が多い

・シフト制で不規則な勤務体系

の場合、特に子育てに直面した時にどう解決するのか、プランを立てておくと納得してもらいやすいですよ。

子供が欲しいと書く勿れ!?

ところで余談ですが、最近は男性のプロフィールに

子供が欲しい

と明記することが憚られる風潮があります。命懸けで妊娠・出産をするのは女性なのに、「女は産むのが当然」と言う態度は何事か!あまりにも無責任かつ女性の人権を軽視する発言なのではないか?と受け取る方もいますので、表現方法には細心の注意が必要です。

最近の傾向としては、

子供はできれば欲しいと思ってはいますが、

お相手女性の希望や人生観を尊重して相談して決めたい

模範的なプロフィールより

くらいにとどめておくと好感度が上がります。

どうしても跡取りが必要で、、、と言う場合も、「じゃあもしも子供ができなかったら、妻としての価値がないの?離婚されてしまうの?」と言う不安をお相手に与えないように、配慮が必要です。この辺りのニュアンスは、私との面談でお話ししながら微妙に調整した表記を選択していくのが賢明です。

そもそも若いから、あるいは子供が欲しいからと言って、100%できる保証はないのですから。

ということでここからは結婚観の各論(細かな具体的希望)です。

結婚観の各論

ここからは、各論です。

仮に大枠でお二人ともが「子供が欲しい」「共働き」で意見が一致したとして、

⬜︎女性は今の職場環境で妊娠・出産・子育てが可能かどうか?

⬜︎休日は一緒に過ごしたいのか、過ごせるのかどうか

⬜︎男性の職場と女性の職場が離れている場合、どのあたりに住むか

⬜︎結婚後の住まいは買うか借りるか、マンションか一軒家か

⬜︎経済面や子育てなどの面で実家のサポートが期待できるかどうか

⬜︎実家を頼れないなら、どれだけお互いが家事子育てに積極的に参加できるのか

などの現実的な問題をある程度想定しましょう。

実家を頼るつもりで当てにしていたけど、お父さんが突然倒れてしまい、お母さんはその介護でつきっきりなんてことにならないよう、子育てサポートは親御さんの年齢や健康状態も大きく関わります。

事例1 実家のそばに住んで家族で育児

加代さん(29歳・仮名、看護師)のケースでは、こうでした。

加代さんは大病院のナース。もちろん夜勤もあるしお仕事はシフト制です。

ご主人は雅也さん(32歳・仮名、会社員)機械のメーカーでエンジニアのお仕事をしている新婚カップルでした。

加代さんの妊娠がわかってからは夜勤は外してもらえて、出産の前後にもたっぷりお休みが取れる有給休暇が保障されている環境。とはいえ、育休まで使い切っても子供はまだ2歳。幼稚園の送り迎えや毎日のミルク、離乳食作り、オムツ替えなどの日常の育児と家事はどうしようかと困っていました。

そんな矢先に雅也さんの会社の倒産と、加代さんの昇進の話がほぼ同時に起こりました。

悩んだ二人は思い切って加代さんのご両親が住むマンションのすぐ上の階へお引越し。24時間いつでもご両親に頼れる環境を手に入れて、加代さんの方がお仕事に全力投球することにしました。

旦那さんは転職活動をしながら家事と育児に励み、面接の時には加代さんの両親に子供を預けたり、たまには二人でデートを楽しんでいます。

今時はこんな風に、女性がメインの稼ぎ手になるケースもありますよ。

もちろん旦那さんの会社が倒産することは想定外ではありましたが、これって女性が専業主婦だったとしても、男女が入れ替わっただけで同じ問題が起こります。

つまり、ワンオペ育児になりかねないと言うこと。ワンオペ育児がきっかけで、お嫁さんがうつ病になったり、ストレスから子供に虐待をするケースもありますからね。信頼できる第3者の手助けがあることがベターだと思います。

事例2 育児にはほぼ参加できないご主人

真奈美さん(35歳・仮名、事務職)の場合はこうです

10歳年上の正治さん(45歳・仮名、会社経営者)と結婚した真奈美さん。結婚と同時にすぐ妊娠がわかり、寿退社。立て続けに3人の子供を妊娠、出産しました。ご主人の正治さんは宝石の卸販売をしていて、全国の展示会へと出張に出ていることが多く、多い時で月の半分くらいはホテル住まい。実質的に子育てには参加は難しい状況です。

3人の子育てをワンオペでやるのは本当に大変です。ご実家までは電車で小1時間ほどですが、お母様も病気がちであまり頼れないとのこと。そんな時に助けてくれたのが、2歳年上のお姉さん。すでに結婚して子供さんが一人いますが、一人っ子なので従兄弟が遊びにきてくれるとすごく喜ぶそうで、時々預けさせてもらえるそうです。

月にほんの1、2日でも、子供から離れて自分の時間を持ったり、正治さんの出張についていって京都や札幌を二人でデートするのが楽しみ、とのこと。

「家族の助けがあってこその幸せ、お姉ちゃんに本当に感謝しています。」と言っていました。

数年後の未来をシミュレーション

婚活中は、お相手探しで頭がいっぱいなので、結婚して子供ができたらそれで目標達成、のように感じている方もいますが、子供は生まれた後の方が大変ですよ。

・毎日の幼稚園の送り迎えは可能なのか?

・子供が幼稚園で急に熱が出て、お迎え要請が入ったらどうするのか?

・子供の寝かしつけや、お風呂にいれる、おむつを変えるなどの育児と普段の家事(料理や洗濯、買い物など)をどう分担するのか

婚約中はまだ恋人気分でもいいのですが、本気で家庭をもつ、と覚悟を決めたら無関心ではいられません。特に男性はモノタスクのタイプが多く、「僕は仕事だけに集中したいから家のことは奥さんに全て丸なげしたい」と言う姿勢の方も(はっきりは言わないけど)中にはおられます。実際に、子供ができたら知らん顔、でお嫁さんが育児ノイローゼになり結果的に離婚して実家に帰ってしまったと言うお話も聞きますよ。

お相手選びにフィードバックする

ここでお伝えしておきたいことは、

女性は男性の独身時代の年収や学歴といったスペック以上に、協力して物事をなしとげることができる性格かどうか、ある程度マルチタスクの素質があるかどうか、よく観察すべきと言うことです。

お嫁さんが泣いて辛さを訴えても、知らん顔をする旦那さんも世の中にはいるようですからね。

それが無理なら、家族の力も戦力にカウントすべきでしょう。

子育ては、自分の体力気力だけを頼りにしていると時にいたい目にあいます。そしてそれは社会の宝でもある、お子さんが一番の被害者になりうることを忘れてはいけませんよ。

一方で男性は令和時代の結婚において、女は子供を産んで当然、と言う姿勢はタブー中のタブーです。あくまでも「産んでいただく」と言う感謝の姿勢を心がけましょう。もちろんとても痛い辛い思いをして産んでいただいた後は、二人で協力して力を合わせ、大切に育てるのが当たり前です。

心配しなくても、お子さんはあっという間に大きくなり、「俺にかまうな!」「私の部屋を勝手に見ないで!」と突き放される日がやって来ます。その頃には、お子さんが夜泣きして大変だったことや、急な発熱で会議を抜けてお迎えにいったことが、なにものにも変えがたい尊い思い出になっていますよ。

そしてやがて我が子が結婚するときに、子育ての大変さと喜びを伝えられる大人になってくださいね。それこそが私、仲人にとっても最高の喜びなのです。