結婚イコール幸せ?

なぜ結婚したいの?と聞かれたら多くの人が「結婚して幸せになりたいから」と答えますよね。

事実、既婚者に対する調査で「現在の幸福度」を調査したところ、子どもの有無に関わらず既婚男女の8割が幸せ(とても幸せ+どちらかというと幸せ)を感じているという結果が出ています。

一方で、未婚・離別・死別の男女においては、男性約5割・女性約7割が幸せを感じているという結果です。

2018年 人生100年時代の結婚に関する意識と実態」調査 安田生命生活福祉研究所より

この結果を見ると、数字の上では結婚している人の方がより幸せである、とは言えそうです。

さらに幸福について深掘りしてみると、幸福度が高い夫婦は、夫婦間の関係性がよく、その背景には「二人の共通点」が多いことがわかっています。

言い換えると、価値観が近いカップルほど幸福度が高いのです

幸福のカギは「価値観」の一致

さて、夫婦の「価値観が同じ」と回答した既婚男女の中で、

  • 結婚して幸せだと感じている人は41.8 %
  • 幸せだと思わないと感じている人は0% との結果が出ています。
株式会社パートナーエージェントによる調査

価値観の一致は幸福度を左右する大きな要素と言えるでしょう。

夫婦間の価値観が合わない時、最初は不満を言わずに我慢をしていても、限界が訪れた時や、何かの拍子に本音が出てしまった時など、爆発したり一気に冷めてしまうことはよくある話です。

そもそも一人ひとり違う個性を持つ別々の人間ですので、何もかも価値観が一致することはありませんが、許容できる範囲かどうか、すり合わせの余地があるかをよく考えてみましょう。

ここでは具体的に、交際中のカップルが結婚する前に話あっておくべき9つのポイントをお伝えします

1.お金について

具体的には、「今何に一番お金をかけているのか?」そして、それは結婚後もお金をかけたいのか?ということです。

ポイントは、

  • お互いの収入と貯蓄額
  • 結婚後の金銭面での生活費のめやす
  • 家計や口座の管理はどちらがメインでするのか

といったことです。

実は恋愛結婚をしたカップルでも、それぞれのお金の使い道やローンなどについて知らなかったというケースもあります。いざ入籍してみたら、とんでもない借金を抱えていたなんてことのないようにしましょう。

結婚後の貯蓄目標や、車や住宅を買うのか借りるのか、など引っ越しや転勤のことも踏まえて中長期的なライフプランを話し合いましょう。

2.家族関係

お二人のそれぞれの家族についての考え方も正直に伝えておきましょう。結婚前からお相手の家族との関わり方がある程度イメージできていないと、ショックを受けることもありますよ。

話し合うポイントは

  • 実家への帰省頻度とタイミング
  • 家族や親戚が集まるイベントの頻度と参加の必要性
  • 両親との同居や介護について

家族との関わり方は、各家庭によって本当に違います。月に数回ペースで帰省する人もいれば、一年に1回、3年に1回という人も。もちろん実家で親御さんと同居をしている人もいます。お相手のストレスにならない程度に気遣いながら、心地良い距離感を決めていけるとベストです。

その時に、

絶対に家族の誕生日会に参加してくれないと嫌!

というふうに一方的に押し付けるのではなく、「あなたと一緒に家族のお祝いに行けたら嬉しいけど、どうかな?」などと意見を言いやすい雰囲気作りをするのも大切です。

一方で、親とはほぼ絶縁状態、という方やうちは放任主義だから気にしないで、というようなお話もありえますが、まず大切なことは家庭にはそれぞれ事情がある、と理解を示すことです。

実際に、親子の仲が悪かった人が、結婚してお子さんを儲けたことをきっかけに親ごさんと仲直りすることもあります。独身時代とは様々な面で価値観が変わっていく可能性があることも、視野に入れておくと良いでしょう。

3.子供に関する価値観

ぶどうの樹結婚相談所では、ご成婚された方の約半数がパパママになっています。それ以外の方は、年齢的なことや、その他の理由で最初から赤ちゃんは希望しない方も数多くおられます。

子供の存在はライフプランを左右するとても大きな要素ですので、出産適齢期の方はしっかりと話し合っておきましょう。

ポイントは

  • 子供は欲しいか欲しくないか
  • いつまでに何人くらい欲しいのか
  • 産前・産後の仕事をどうするか
  • 出産や子育てに必要なお金について

といったことになります。

結婚相談所で活動していても、みなさん考え方は色々。子供に関しては

  • 子供はできるだけ早くどうしても欲しい
  • 今は仕事に専念したい、でもそのうちに欲しい
  • 子供はいらない、二人で楽しく暮らしていきたい
  • できてもできなくてもどっちでも大丈夫

ざっくりと4つのタイプの考え方があります。

もちろん子供は授かり物ですので、欲しくて頑張ったけどできないこともあります。逆に思いがけず妊娠をして、予定が変わったカップルもいます。大切なことは、ある程度のプランを決めたら、あとは柔軟に対応していく心構えですよ。

4.仕事・働き方についての価値観

次は仕事や働き方に関する価値観です。

先日もお見合いの席で

結婚後は家庭に入って欲しい

50代婚活男性

と言われた、と40代の女性会員様から報告がありました。彼女は専業主婦希望でしたので、飛び上がって喜んでいましたよ。彼女のように、専業主婦になりたい、なって欲しい、という婚活男女はいつの時代も一定数います。また、転勤や異動などが多い職場もあれば、全くないという職場もあります。転勤はないけど出張が多いという人もいますよ。ポイントは

  • 結婚後はどのような働き方をしていくのか
  • お互い転勤や異動はあるのか
  • キャリアプランや転職についての考え

について、それぞれがお互いの希望に耳を傾け、またご自身の希望についても冷静に話せるといいでしょう。

5.家事分担についての価値観

仕事についての価値観のすり合わせができたら、次はそれを元に家事分担について話し合いましょう。

ポイントは

  • 仕事と家事のバランスについて
  • どの家事が得意か不得意か
  • 分担制にするのかどうか

家事の話になるとよくあるのが、「自分の方が稼いでいるから」とか「拘束時間が長いから」といった仕事を理由に一方にばかり負担が偏るというケースです。ですが、業務内容や体力・精神力なども含めて一概にお金や時間では測れないのが仕事の大変さです。一緒に生活がスタートしたら摩擦が起きやすい部分でもあるので、家事分担に関しては事前にルールを作っておくと良いですよ。

おすすめは、”自分のことは自分やる”スタンスをベースに、得意な人・できる人が率先してやることを決めておく、というもの。さらには率先して家事をやってもらっていることを当たり前にせずに、その都度「ありがとう」とこまめに伝えるのが家庭円満のコツです。

とはいえ、子供ができたり、転職したり、引っ越したりで生活のペースは予想外に変わっていきます。ルールにこだわりすぎず、フレキシブルに対応するように心がけると良いですよ。気がつけば、子供たちがお手伝いできるようになってくるのも楽しみですね。

6.道徳や常識・宗教観

道徳・宗教というと大袈裟ですが、簡単に言うと「善悪の基準」のようなものと捉えて下さい。実は自分にとって「当たり前のこと・常識」だと思っているマナーや考え方がお相手にとってもそうとは限りません。

例えば

  • 遅刻について
  • 食べ残しや好き嫌いについて
  • 清潔や衛生面について
  • 浮気の認識レベルについて
  • 宗教信仰について

などです。

人によっては”食べ物を残すなんてあり得ない”

”遅刻は絶対許せない”

”ギャンブルはしてはいけない”

”異性の友人と二人で出かけて欲しくない”

など

わざわざ言わないけれど、何か強いこだわりを持っていることがあります。交際が進むと自然にわかってくるものもありますが、

「これだけはされたら嫌、つらい。」

ということは結婚前にしっかりと共有しておきましょう。後々とんでもない大げんかに発展することもありますので、事前に知って対策しておくことが肝要です。

もしかして潔癖症?マイルールを確認

衛生面では、

”一度触ったタオルは全て洗濯する”

”外から帰ったら必ずすぐにお風呂に入る”

などマイルールを持っている場合も要注意。自分だけのルールならまだ良いのですが、お相手が違った考え方をしている場合、押し付けるのはやめて欲しいもの。とはいえ、結婚してから納得し受け入れるのに数年かかるケースもありますので、「他人と一緒に暮らすってそういうことなんだな」という寛容さを、仲人としては持ち合わせて欲しいところです。

宗教については曖昧にしないこと

宗教に関しては、甘くみていると後で痛い目に遭うこともあります。

カルト教団や新興宗教で家族が苦しんだという事実は昔からあり、安倍首相のニュースは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか?

それ以外でも、宗教上の理由で体にメスを入れられないから一切手術や治療ができないとか、信仰は本人だけの問題だから大丈夫、と思ったら、「実は配偶者も入信しないとダメ」と婚約してから打ち明けられて困惑するケースもあります。軽く考えていると痛い目を見ることもありますので、結婚後の宗教への関わり方を確認しておきましょう。

7.指輪と結婚式

結婚を意識したお二人なら、プロポーズ前に指輪やお式についても話し合っておくべきでしょう。

  • 結婚指輪と婚約指輪が必要かどうか
  • 指輪の購入費用について
  • 身につける頻度について

男性から女性に贈るエンゲージリングはもちろん、男女ペアでつけるマリッジリングもいらない人にとってはなんの価値も感じないもの。美容師や看護師、調理師、エステなどお仕事で指輪がつけられないという方もいます。一方で指輪は愛の証、贈り贈られるのが当然と思っている人にとっては、

指輪が不要だなんて、愛されていないのかも知れない

とそれだけで青ざめてしまうものです。片方が指輪への憧れがあり、もう一方がまったく不要だと思っていると、どうしてもギスギスしてケンカの原因となります。両者がお相手の気持ちに寄り添って、身につける頻度や価格の相場なども考慮の上、納得がいくものに落とし込むことも、夫婦への道のりのひとつとお考えくださいね。

結婚式、挙げたい?挙げたくない?

結婚式もすごく挙げたい人と、全く挙げたくない人がいます。

その背景には地域性や親戚・家族との距離感、子供の頃からの憧れなど、人それぞれ。予算も事前準備もそれなりに大掛かりになるので、本当に必要かどうか、挙式するとしたらその時期や費用はどうするのかなど、折り合いがつくラインを見つけましょう。

一流ホテルで結婚式を挙げるのが当たり前、という時代ではなくなってきています。

家族だけでこぢんまりレストラン挙式とか、神社でリーズナブルにかつ厳かにあげたい、ドレスとタキシード姿で写真だけ、新婚旅行とのセット撮影など選択肢はたくさんありますよ。なんと言っても身の丈にあったプランにしないと、いざ生活が始まってから貯金がなくて苦労することになるかも知れません。

8.記念日の過ごし方

二人の誕生日や結婚記念日、プロポーズ記念日など、どのように過ごしたいのか希望を伝え合っておきましょう。

  • ふたりで盛大にお祝いしたい
  • 有給を取って旅行に行きたい
  • プレゼントを贈り合いたい
  • 少し贅沢なご飯を食べに行きたい
  • なるべく普通に過ごしたい
  • 相手の希望に合わせる

など人によって考え方は様々です。

昭和時代のご家庭では、結婚記念日に夫が妻へ花束や宝石などを贈るのが比較的定番でしたが、現代は色々な考え方があります。確認しておきましょう。とはいえ、いざ子供が生まれると記念日は子供の誕生日や入学式などに集中して、夫婦のためのイベントがいつの間にかなくなってしまったというケースもよく聞きますよ。そうはいっても、「本当は自分はこうしたい!」という希望を結婚前に伝えておくことは意味のあることです。

言ってくれればよかったのに!

あなたが聞かないのが悪いんでしょ!

ある夫婦の会話

と結婚後何年もしてから揉めるくらいなら、最初からちゃんと知っておいた方が平和に過ごせます。

9.結婚後の住居について

結婚したら、基本的には片方または二人ともが、引っ越しをする必要が出てきます。二人ともお仕事を継続するなら、二人の職場の中間地点あたりにすることが多いのですが、もしも家事の負担がどちらか一方が圧倒的に多いのであれば、そちらの意見や希望を優先的にする方が望ましいでしょう。

ポイントは、

  • 大体どのエリアに住みたいか
  • 賃貸か購入か、マンションか戸建てか
  • 子供ができるまでとできた後

など確定しないまでも、お互いの現時点での考えを伝え合うことが大切です。

池袋ぶどうの樹結婚相談所の会員様も、女性の方が夜勤がある、出張が多い、子育てを自分の母親に手伝ってもらうため、などの理由で女性の希望が優先されるケースをよくお見かけします。また逆に、男性がすでにマンションや住宅を所有していたりして、文字通り女性が身一つで「お嫁入り」する形でのご結婚も珍しくはありません。

家族が増えるかどうかもわからない段階では、決め難い部分もあるかもしれませんが、ある意味で結婚とは決断の連続です。二人で作る未来の家庭についてお茶でも飲みながら、楽しく話し合いましょう。

男女で重要視するポイントに差がある

さて、ここまで9つの確認事項についてお伝えしてきました。

前出のパートナーエージェントによる調査のには続きがあります。

男性は、結婚生活に幸福を感じる理由TOP5として、

  • 1位 価値観が似ている
  • 2位 同世代であること
  • 3位 金銭感覚が近い
  • 4位 食の好みが同じ
  • 5位 出身地が同じエリア

としているのに対し、

女性は

  • 1位 同世代であること
  • 2位 価値観が似ている
  • 3位 食の好みが同じ
  • 4位 金銭感覚が近い
  • 5位 出身地が同じエリア

という順にランキングされるという結果になっています。

どちらもほぼ同じような理由が上がってはいるものの、実は男性は女性よりも”金銭感覚が近いかどうか”を気にするのに対し、女性はお相手との年齢が近く話しが合うこと、そして”食の好みが合うこと”をより重視しているということがわかりました。

世の中が進んだとはいえ、まだまだ結婚生活においては男性の方が経済的負担が大きく、女性の方がお料理や家事の負担か大きいのが現実です。それを踏まえた上で、世間はこうだけど、自分たちはこうありたいよね、という結婚観が一致したなら大いに結構です。ぜひ一般論ではなく、ご自分たちのケースはどうなのかをよくお話ししてみてくださいね。

まとめ:結婚前に確認しておきたい9つのこと

長くなりましたが、まとめると、交際中に結婚を意識したら話しておくべきテーマとは次の9つです。

1.お金について

 ー貯金や資産。収入と支出。何に一番お金がかかるのか。生活費の配分

2.家族関係

 ー実家に帰る頻度とお付き合いの深さ、イベントへの出欠義務

3.子供のこと

 ー欲しいか欲しくないか。何人いつまで欲しいか、産休や育休、育児の負担

4.仕事と働き方

 ー今のまま働くつもりか、結婚後は、未来はどうしていきたいか

5.家事の分担

 ー分担制にするか否か、何ができて何ができないかなど

6.道徳・宗教観・衛生観念

 ーお互いにこれが正しい、正義と思っていることがあるか確認。

7.指輪と結婚式

 ーなくても結婚はできますが、人により思い入れに差が出るので話し合うこと

8.記念日の過ごし方

 ー絆を深める大切なイベントでもあります。どうしたいか・して欲しいかの確認を

9.結婚後の住まい

 ー引っ越すならどこにどのような形態で住むのか相談を

仲人から一言

自分では「これが普通でしょ」と思っていることが、お相手には全くそうではない、なんてあるあるなのが男女の違いです。

さらに、独身時代は親などから受け継いだ考え方や”お作法”を、きっとよその家庭も同じだろうと思い込んでいるケースは多いものです。一緒に暮らしてみてびっくり、という話をよく聞きます。それでも惹かれあったお二人なのですから、平和的に解決していって欲しいと心から思います。どうか結婚をするからには、価値観がぴったり合う人と末長く幸せに暮らしてほしい、仲人としてそう切実に願っております。交際中、うまく切り出せない場合のサポートは仲人にお任せくださいね。

仲人おぎた